【危険】叱らない育児はホントは良くない!?求められる親の対応とは

叱る親と泣いている子ども

コリー先生!ものすごい子育て方法を入手したんだメェ!

羊二朗さん、そんなに興奮してどうしたんですか?

「叱らない育児」って知っているメェ?叱らなくていいなんてそんな神のような子育て方法、ミーは知らなかったんだメェ!さっそく息子の羊平に実践してみているんだメェ

叱らない育児…ですか…

あれ…?コリー先生、ノリが悪いメェね?体調でも悪いメェか?

いえいえ、体調はいいんですけどね。羊二朗さん、その「叱らない育児」実際にやってみてどうですか?

それはそれは楽ちんメェ。羊平が公園のすべり台で順番を守らなくても、お店の中で全力で走りまわってもガミガミ言わなくていいんだメェ。ストレスフリーだメェ

それで、実践し始めてからのお子さんの様子はどうですか?

そ…それは…なんだか前にも増して、暴れん坊の聞かん坊になった気がするメェ。でも「叱らない育児」効果でそのうち良い子になるはずだメェ

これはまたややこしい問題ですね…

自己流は危険がいっぱい!?叱らない育児の末路

叫んでいる男の子

ここ近年、よく聞くようになった「叱らない育児」。

どんなパパやママだって子どもを叱りたくて叱っているのではありません。

ですから「叱らない育児」と聞くと、誰もがとっても魅力的に感じるはずです。

しかし、この「叱らない育児」は、自己流で実践するには、とんでもないリスクが潜んでいることをご存じですか?

近年、専門家たちが警笛を鳴らしている「叱らない育児」の真実についてさっそく見ていきましょう。

知っていますか?「叱らない育児」で育った子どもたちの特徴

「叱らない育児」と聞くと、子どもが何をしても止めない、叱らない、子どもの思うままに自由に育てる育児をイメージしませんか?

そうして自由すぎる環境で育った子どもたちが今、小学校入学後に問題視されているのをご存じでしょうか?

近年の小学生の問題行動について見てみました。

■近年の小学生の問題行動

  • 我慢ができない
  • 大人の言うことを聞かない
  • 自分の思いどおりにならないと気持ちが切り替えられない
  • 他人からの否定に弱い
  • 人間関係でトラブルになりやすい

間違った自己流の「叱らない育児」で育った子どもたちは、常に親に機嫌を取ってもらいながら育っています。

例えば、公園ですべり台の順番を待って並んでいる子どもがいたとします。

そのとき、自分の子がほかの子を押しのけて先に滑ったとしたらどうでしょう。

間違った「叱らない育児」をしているママは、何も言わずにそれを近くで見守ります。

すべり台を滑ってご機嫌なわが子に対して「すべり台、楽しかったわね」とにっこり。

楽しく遊ぶ子供たち

「うちの子が滑りたかったんだから滑りたいときに滑らせてやるのが我が家の方針です」

ちょっと極端な話ですが、このような理屈で育った子どもたちは、社会で生きていくためのルールを知らないまま大きくなります。

この話の場合は順番を守る・譲り合うというルールですね

そして親から離れて幼稚園や小学校に入り、先生や友だちに順番を守らないことを否定されたとき、自分の置かれたネガティブな状況に耐え抜く力がありません。

子どもによっては「なぜ、順番を待たないといけないのか?」そこから疑問に感じる子もいるでしょう。

なぜなら、親から社会で必要なルールを教えてもらうことなく育っているからです。

自分が否定されているという事実が受け入れられず、感情をコントロールする方法も身についていないのですぐにキレる・パニックになる、といった行動に出てしまうのです。

とんでもないリスクがあるメェー!!まさにミーがやっている叱らない育児だメェ…

やはり…そうだと思いました。「叱らない育児」は正しい理解と親の判断力が必須な育児方法です。羊二朗さん、本当にこの方法を実践してみる覚悟がありますか?

メェェ…ちょっと難しそうだメェ…

知らなきゃやばい!「叱らない育児」で親がやってはいけない対応

子育てをする母親

コリー先生、少し考えたんだメェ。やっぱりガミガミ怒ってばかりの育児は嫌だメェ。正しい「叱らない育児」の方法をミーに教えてほしいメェ

羊二朗さん、覚悟が決まったんですね?たしかに、叱られてばかりいるのは子どもの育ちにとって良くありません。まず最初に間違った「叱らない育児」について一緒に見ていきましょう

「叱らない育児」やってはいけない親の対応

  1. 子どもが良くない行動をしても見て見ぬふりをする
  2. 子どもを怒らせないよう、常に子どもの機嫌を取る
  3. 親が我慢できなくなり、感情的に怒る

1)子どもが良くない行動をしても見て見ぬふり

児童館や公園などの複数の子どもたちが遊ぶ場合、子ども同士のトラブルはつきものですね。

■子ども同士のトラブルの例

  • お友だちの持っていたおもちゃを横取りしてしまった
  • すべり台で順番待ちができず、追いこしてすべってしまった
  • ブランコをこいでいるお友だちの前を通り過ぎようとした

こんな場面で、ただ見守るだけのパパやママ。
トラブルに発展しそうになっても、ニコニコ子どもの様子を見ているだけ。

これでは、自分の子どもがケガをしたり、お友だちにケガをさせてしまう可能性も十分ありえます

子ども自身も、何が悪かったのか、どうして相手が怒っているのかが理解できないままにその場を過ごし、友だちの気持ちを汲みとる力が育たないまま大人になっていきます。

2)子どもを怒らせないよう、常に子どもの機嫌を取る

機嫌をとるお父さん

子どもが癇癪をおこすと面倒だから、意にそわないことを言うと泣き出して大変だからと、なんでも子供の言いなりになってしまう大人の対応です。

このような対応を続けていると、子どもは「自分が一番」という認識が強くなります。

その結果、大人の言うことに耳を貸さなくなったり、他人から否定されるとひどく傷つき、ショックに耐えられずキレたりパニックになったりといった行動をおこす場合もあります。

いつも親に機嫌を取ってもらっているため、自分の感情を自分でコントロールする力が培われず、嫌なことがあると1人ではなかなか立ち直れません。

3)親が我慢できなくなり、感情的に怒る

叱っている親

間違った「叱らない育児」の失敗例、最終形態です。

世の中のルールに触れることなく自分の思い通りに生活し、我慢する力を身につけずに育った子どもは、親に対しても横柄な態度をとります。

コントロールが効かなくなった我が子に対して、我慢の限界がきた親は感情的になって怒鳴りつけ、子を従わせようとします。

これでは「叱らない育児」本末転倒ですね。

メェェ~…ミーがやっている行動が全部当てはまっているメェ。だから羊平はここのところ、全くいうことを聞かなくなってしまったんだメェ。それに、保育園でお友だちのおもちゃを無理やりとったり、叩いたりと問題行動を保育士さんから指摘されてしまったメェ

それこそまさに!間違った「叱らない育児」の弊害ですね

ミーはこれからどうしていったらいいんだメェ。前のようなガミガミ育児に戻すべきなのかメェ?

それではここから先は正しい「叱らない育児」について勉強していきましょう

後悔しないためにできる親の対応

応援する親

誰だって人を叱ることは好きではありません。

まずはじめに、「叱る≠怒る」の基本をおさえると共に、どんな対応をするのが良いのか考えていきましょう。

「叱る」と「怒る」の違い

「叱る」とは、子どもが間違った行動をとったときに、大人が冷静に何がいけないのかを説明し、どうすることが正しいのかを教えることをいいます。

対して「怒る」とは、大人自身のイライラや不機嫌などのネガティブな感情を子どもに対してぶつける行為です。

怒られているとき、大抵の大人は感情的になっているので、子どもにとっては「怖い」「悲しい」「嫌だ」という感情だけが心に残り「なぜ、怒られたのか」という原因の行動については、ほとんど記憶に残りません。

怒られて育った子どもの特徴

「叱らない育児」とは、真逆に位置する環境、「怒られて育った」子どもたちはどのように成長するのでしょうか。

  1. 自己肯定感が下がる
    親に厳しくしつけられたり、怒鳴られて育った子どもは成長していく過程で、大人や周囲の目を気にしがちです。
    「自分は何をやっても怒られる」と自信を失い、積極性がなくなってしまいます。
  2. 人とのコミュニケーションが苦手になる
    人は怒鳴られたり怖い思いをすることで脳が萎縮します。
    脳の中でも言語野が萎縮するので人とのコミュニケーションが取りづらくなります。
  3. 怒りっぽくなったり突然キレたりする
    子どもは親の姿から自分自身の感情表現を学びます。
    ミラーニューロンという神経細胞の働きにより、目の前で見たものを鏡のように真似する性質があるので、親が怒る姿を真似て同じように怒りを表現するようになるのです。

こうしてみていくと、感情的になって怒って子どもを育てることにも、大きなリスクを感じますね。叱られずに育った子どもと怒られて育った子ども。どちらも何らかの問題を抱えてしまっているようです。

もうどうやって子どもに接していけば良いのか、ますますわからなくなってきたメェ

実は、子どもを叱る代わりにやるべき、最も大切なことがあるのです

ミーはすぐに感情に任せて怒鳴ってしまっていたメェ…だからこそ、叱らない育児に魅力を感じているメェ

それではどうしていくのが正しい「叱らない育児」なのでしょう。羊二朗さん、大事なところなのでしっかり聞いてくださいね!

ハイ!しっかり聞くメェ!

「叱らない育児」成功する親の対応

親子連れ

「叱らない育児」成功する親の対応

  1. できているときにしっかりほめて、正しい行動だと伝える
  2. 子どもの気持ちは受けとめつつ、方針やルールはしっかり伝える
  3. ときに我慢する経験も必要。がんばる力(忍耐力)を育てる

1.できているときにしっかりほめて、正しい行動だと伝える

大人が子どもの様子をみていると、どうしても危険な行動をしようとしたときや、ルールを破ろうとしたときに目が行きがちです。

そんなときに「なんでそんなことするの!」と怒ってしまっては「叱らない育児」失敗ですね。

では逆に、友だちと楽しく遊べていたり、順番待ちをしているときに声をかけていますか?

仲良く平和に遊んでいるからと、ぼーっと眺めてはいませんか?

この瞬間に「順番が守れて、楽しく遊べているね」「おもちゃを貸してあげられて、やさしいね」と声をかけることで、叱らなくても子どもたちに仲よく遊ぶためのルールを伝えることができます。

また、子どもたちはその場で良い行動について声をかけられることで、

「自分がした対応は良い対応で、仲間と仲良く遊ぶことは楽しいことなんだ」

「こうすることで、仲良く遊べるんだ」

と人間関係の基礎を培います。

優しい子に育つ家庭環境の特徴についてはYoutubeでまとめているので、確認してください。

2.子どもの気持ちは受けとめつつ、方針やルールはしっかり伝える

「叱らない」というと、子どもが何をやっても見ないふりをして、言いなりになる様子をイメージするかもしれません。

しかしそれでは子どもが社会的に成長するせっかくの機会を奪ってしまっています。

子どもが間違ったことをしたときは、社会で生きていくためのルールを身につける大切な機会なのです。

親が教えるべき、社会生活に必要な最初のルールとは…

  • 危険な行動について
  • 周りの人に危険が及ぶ行動について
  • 公の場で、人に迷惑がかかる行動について

家庭によって、ここから多少増えることもありますが、この3つに関しては、社会で生きていくために早い段階で身につけなければならないルールです。

「叱る」というより「知らないことを教えていく」とイメージすると良いですね。これは親の重要な役目です。

子どもたちが社会に出て困らないためにも、小さいときから何度も繰り返し教える必要があります。

また、家の中と外出先でルールを変えるのは良くありません。

一度決めたルールはブレることなく、伝えるようにしましょう。

3.ときに我慢する経験も必要。がんばる力(忍耐力)を育てる

子どもが危険な行為をしたときには、子どもたちの気持ちをさえぎってでも、止めなければならないこともあります。

例えば、スーパーの駐車場で急に走り出したとき。

事故にあう危険性があるので、こんなときは抱きかかえてでも止めなければいけません。

きっと思い通りにならなかったとき、子どもは癇癪をおこしたり、泣いたりします。
ですが、それは子どもにとって当然の行動です。

そうなったとき、しっかりと気持ちを受けとめ悔しい気持ち、悲しい気持ちに共感してあげましょう。

抱きしめて背中をさすって落ち着かせてあげるのも良い方法です。

癇癪を起こすことは悪いことではありません。
やめたくなかった気持ちを表現したとき、親にしっかり受けとめてもらうことで気持ちが安定してきます。

子どもが落ち着いてからが本番です。

「なぜママが止めたのか」をしっかりとその場で教えましょう。
そして、子どもが我慢できたことをほめてあげてください。

ほめられて認められることで、子どもたちはぐっと我慢する忍耐力を身につけていきます。

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正しい「叱らない育児」まとめ

まとめ

叱らない育児が、子どものやりたい放題をただ見守ればいい楽な子育て方法と思っていた自分が情けないメェ

羊二朗さん、わかっていただけましたか?子どもたちが間違った行動をしたときに「叱る」のではなく「知らなかった正しいルールを教えていく」ことが真の「叱らない育児」なのです

これから生きていく中で、子どもたちは必ず社会のルールに向き合っていくこととなります。

そんなとき、親からルールを教えられずに何でも自分の思い通りになる育ち方をしていたとしたら…想像するのも恐ろしい未来が待っていますね。

この記事でお話した「叱らない」けれど決して「ほったらかし」ではない育児についてもう一度ポイントをおさえておきましょう。

「叱らない育児」成功の鍵

  • できているときにしっかりほめて正しい行動だと伝える
  • 子どもの気持ちは受けとめつつ、方針やルールはしっかり伝える
  • ときには我慢する経験も必要。がんばる力を育てる

何でもかんでもガミガミ言う必要がないことがわかりましたね。

親が、子どもにルールを教えないといけない状況をしっかりと見極めることが大切です。

子どもたちがこの先の人生で困らないためにも必要なルールはその都度伝えて身につけてやる。

それが本当の「叱らない育児」です。

「叱らない育児」がよくわかったメェ。子どもたちが立派な大人になれるように、ミーが教えられる世の中のルールはしっかり伝えていくようにするメェ

「叱らない育児」は良い所をしっかりほめ、間違っていることはルールを教える。ただボーっと子どもを見ているだけでは、なかなか難しい育児方法です。お子さんとの生活の中で少しずつ、実践していってくださいね

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